自民党と日本維新の会が連立政権を樹立することで実質的に合意しました。まもなく、両党の党首が合意文書に署名する予定で、あす、自民党の高市総裁が女性初の総理大臣に選出されることが確実な情勢となりました。

きょう午前、緊張した面持ちで記者団の取材に応じた日本維新の会の吉村代表。

日本維新の会 吉村洋文 代表
「合わせて12の項目について、今般、合意がほぼまとまりました。本日、連立政権樹立の合意をいたします」

きょう午後6時に、自民党の高市総裁と会談し合意文書に調印したいとの考えをあきらかにしました。

日本維新の会 吉村洋文 代表
「今日の朝、私から高市総裁に電話をして『連立合意をいたします。共に日本を前に進めていきましょう』という話をしました」

協議関係者によりますと、「連立政権合意書」では、▼焦点だった消費税については2年間に限り、飲食料品を対象としないことも視野に「検討を行う」と明記、▼「企業・団体献金」の廃止は両党による協議体を設置し、第三者委員会でも検討の上「高市総裁の任期中に結論を得る」としています。▼また、「議員定数の削減」については「1割を目標に衆議院議員定数を削減するため臨時国会で議員立法案を提出し成立を目指す」と踏み込みました。

実質合意を受けて、維新は午後の両院議員総会で、あすの総理指名選挙での対応も決定。

日本維新の会 藤田文武 共同代表
「明日の首班指名(総理指名)選挙におきましては、1回目から自民党総裁である高市早苗さんのお名前を書かせていただくということで決裁をいたしました」

野党による候補者調整が不調に終わったことから、自民党の高市総裁が女性初の総理大臣に選出されることが確実な情勢となりました。

その高市氏、あすに向けて衆参両院の議長への挨拶や少数会派への根回しに余念がありません。

午後、鈴木幹事長とともに出向いたのは日本保守党、あすの総理指名選挙での協力を求めました。会談後、百田代表は…

日本保守党 百田尚樹 代表
「日本を豊かに強くするためならどんなことでも協力すると。決選投票は私の名前を書く機会はないでしょう。誰書くか、さあ決選(投票)に誰が残るか分かりませんからね、教えてください」

そして今後、連立のキーパーソンになるとみられるのが、自民党に太いパイプを持つ遠藤国会対策委員長です。

日本維新の会 遠藤敬 国対委員長
「間違っていると思うんだけど、閣僚も我々は一度も言ったことないんだよね、『ポストください』と」

維新は今回、閣僚を出さない「閣外協力」のかたちで政権運営に参加しますが、遠藤氏が総理大臣補佐官を兼務し、連携を図ることが検討されています。

この「閣外協力」に自民党内からは不安視する声も…

自民党重鎮
「いつでも連立から退けるようにするのが『閣外協力』だよ」

一方の維新側は、こう反論します。

日本維新の会 藤田文武 共同代表
「『閣外協力』という形で1つ1段落として、そして、いつでも逃げられるようにということをご指摘いただく方もいらっしゃいますが、私にはそういう気持ちは寸分たりともありません。同じことだと思っています」

総理指名選挙を控え、連立交渉を急いだ自民と維新。今後の課題は山積みで、引き続き両党党首の覚悟が問われることになります。