トランプ米大統領はコロンビアのペトロ大統領を「違法薬物の盟主」だと非難し、米国は今後、コロンビアへの支援を打ち切ると述べた。

トランプ氏は19日、「コロンビアでは麻薬取引が断トツで最大のビジネスとなっている。ペトロはこれを止めるために何もしていない。米国は多額の支払いや補助金を提供してきたが、長年にわたってだまし取られたも同然だ」とソーシャルメディアに投稿。コロンビアの国名を間違ってつづった上で「この日をもって、これらの支払い、その他あらゆる支払いや補助金は打ち切られる」と宣言した。

米国とコロンビアの緊張は、この投稿によってさらに高まった。トランプ氏は9月、長年の同盟国であるコロンビアに対し、麻薬取引対策パートナーとしての認定を「取り消し」、ベネズエラやボリビア、アフガニスタン、ミャンマーと同類に格下げした。

コカインの世界的な流通量は過去最大規模となっており、その大半をコロンビアが供給している。同国は中南米でも特に米政府との安全保障面における協力関係が強く、支援打ち切りはさらなる負担をもたらす。

カリブ海での攻撃

米政府は先日、違法薬物を運搬していたとされる潜水艦をカリブ海で攻撃。生存者2人をコロンビアとエクアドルに送還すると18日に発表した。

トランプ氏と公然と衝突してきたペトロ氏は同日、米政府の行為を「殺人だ」とソーシャルメディアで糾弾した。

グラム上院議員(共和)は19日、トランプ氏と会話したことを明かし、大統領が同日もしくは20日にコロンビアに関税を賦課する計画だとX(旧ツイッター)に投稿した。

「大統領はコロンビアに打撃を与える考えを私に明らかにした。麻薬のディーラーやトレーダーだけでなく、経済に痛みを与える計画だ」とグラム議員は述べた。

原題:Trump Cuts Off US Aid to Colombia, Calls Petro ‘Drug Leader’ (3)(抜粋)

(最終2段落にグラム上院議員の発言を加えます。更新前の記事は原文リンクを差し替え、トランプ氏による発言を訂正済みです)

--取材協力:Matthew Bristow.

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