10月第4週(20-24日)の債券市場は長期金利に低下圧力がかかりそうだ。利下げ期待の高まりで米国の長期金利の低下基調が強まっていることに加え、自民党と日本維新の会を中心にした連立政権となる可能性から過度な財政拡大への懸念が和らいでいるためだ。

市場参加者の見方

◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト

  • 債券相場は米金利低下と国内政治が安定に向かうとの期待感から堅調な展開を予想
  • 米長期金利が節目の4%を割ってきており、日本の長期金利は1.6%割れでも買い進む動きが出てきそうだ
  • 市場は自民党の高市早苗総裁が首相に指名され、維新の会との連立政権を織り込んでおり、極端な高市トレードは出にくい。注目の財務相人事も加藤勝信氏の続投や、一部で報じられている片山さつき氏であれば補正予算規模が極端に大型にならず、超長期債は落ち着くのではないか
  • 新発10年債利回り予想レンジ1.58-1.66%

◎みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジスト

  • 日本銀行の高田創審議委員の講演、首相指名、日銀買い入れオペ、流動性供給入札、消費者物価指数(CPI)発表とイベントが多く、債券相場の方向性を決定づけそうだ
  • 高田審議委員が実質金利のマイナス幅や賃金・サービス価格の粘着性を強調し、必要なら定期的に金融政策を調整すると匂わせれば短中期債は売られ、イールドカーブ(利回り曲線)はツイストフラット(平たん)化へ傾きやすい
  • 臨時国会で首相指名がすんなりと決着し、積極的な景気対策を早期に示せば超長期債には一時的に上昇圧力がかかりやすくなる
  • 新発10年債利回り予想レンジ1.6-1.7%

国債入札

日銀買い入れ

主な材料

  • 20日:日銀の高田審議委員が中国経済連合会で講演
  • 21日:臨時国会が召集
  • 21日:日銀の氷見野副総裁がユーラシア・グループ主催の「GZERO サミットジャパン2025」で講演
  • 24日:9月の全国CPI
  • 24日:9月の米CPI。当初の発表予定日は10月15日だった

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