野党との連立協議はどうなった?
小川キャスター:
吉村さんのお話を伺っていると、もう完全に自民党の方を向いているようにも感じますが、野党との協議はもう終わりですか。

吉村洋文代表:
立憲民主党が「国民の玉木氏を首班指名に」という話がありました。ただそこは、安全保障について、「安保法制に違憲と言っているでは難しい」というのは玉木さんもおっしゃっていて、僕もそれはそうだなと。だからまず、立憲民主党と国民民主党で話をまとめてくださいと、それを本気でやってまとまるんだったら、僕は真剣に話を聞きますと、この間ずっと言ってきました。でもいつまでたってもまとまらないわけです。「それで国家運営できますか」と言ったら、国家運営はそんなに甘いもんじゃないと僕は思っているので。ここがまとまらないのに、トランプ大統領と切った張ったなんかできるわけないです。
だからまずここを本気でやりたいのであれば、それをやらないといけないと思うし、玉木氏がVTRで「維新が二枚舌」みたいなことをおっしゃっていましたが、維新と自民を足しても過半数はいかないんですよ。国民民主だって多くの政策が期待されているわけですから、これは他党を批判するより、政策を実行する方に僕は絶対向くべきだと思います。
高市新総裁だって、「減税もやりますと、責任も一緒に負ってください」とそこまで言っているわけだから、他党批判より、腹くくってやったら僕はいいのになと思います。どうやって自分と有権者との約束を実行するかということに力を入れた方が僕はいいと思います。
藤森キャスター:
今こうして協議が進められている中で、もしこれから先うまくいかないとなった場合、立憲民主中心に、こっちでまとまろうという動きに引っ張られると思います。立憲民主党は「玉木代表を首班指名で書く」ということまで言及しています。そのつもりというのは、まだあるのでしょうか。
吉村洋文代表:
まず立憲が、「安保法制が違憲」と言っているようでは、それおかしい。そこが共通にならない限り、我々は内政だけじゃない、外交もしていかないといけないですから、月末にトランプ大統領が来るのに、「安全保障で違憲」とか言っていたら、なかなか話にならないですよね。だからそこを「立憲民主党として明らかにしてください」というのは玉木氏もおっしゃっていますが、でもそれを立憲民主がやらないわけですよ。そんな甘い気持ちでというか、それで僕は政権が成り立つとは思わないです。
僕も地方政府ですが、大阪府知事として、反対もあるような改革をやってきました。簡単にはいかない。これが国家運営になると外交もあるわけなので、そこがまとまらないようで、数合わせでやったところで、国家運営なんかできないですよ。そんな甘いもんじゃないと僕は思う。
小川キャスター:
ボールは立憲にあると。
吉村洋文代表:
立憲にあると思います。
藤森キャスター:
大きく変える、死に物狂いで数合わせをすると言ってるけど、そういうことじゃないと。

吉村洋文代表:
違う。死に物狂いでやることは数合わせじゃないです。国家としての方向性です。
小川キャスター:
国家としての方向性、また対外国の閣僚ということもありますが。対有権者というところでは、2024年の総選挙で維新は大阪で自民党に全勝しています。
VTRにもありましたが「ゆるゆるの自民党ときっちりした印象のある吉村さんが一緒になってうまくいくとは思えない」というような声があったり、「反自民で投票したのに、そこくっついちゃうの」と、戸惑いを覚える有権者も多いと思いますが、そうした方たちへの向き合いというのは、どのようにお考えですか。
吉村洋文代表:
何もしないまま連立という話になると、やはりそういうふうに思われる方が多いと思います。特に関西においては、僕がやってきたことを見ていただいてますので。

だから先ほど申し上げた通り、いや逆に僕らがやってきた改革を、自民党が一緒に本気でやるんだと。そしてそれをすることによって、今まで進んでこなかった、30年成長してこなかった、あるいはやるべき改革をやってこなかった、そういったことを高市新総裁は本気でやるんだということの、まず最初の動きが僕は非常に重要だと思ってるんです。本気かどうか。その核心は、議員定数の大幅削減だと思います。議員定数削減。
藤森キャスター:
今まで一緒に大事な仲間と進めてきた中で、党を割る、割られてしまう可能性や消滅リスクまで言及されていましたが、本当にそうなってしまってもやむなしなんですか。
吉村洋文代表:
それがいいとは思いませんが、本当に日本って今ピンチだと思うんですよ。30年成長してこなくて、他国はどんどん成長している。そしてその見込みもない。改革もなかなか進まない。日本において本質的に必要なことをやっていくエネルギーが、僕は必要だと思うんですね。
それをできる可能性があるチャンスがあるのであれば、誰かがリスクをテイクして道を開いていかないと前に道はできないですから。そのリスクは維新もあるかもしれないけれど、ここで、今回の協議であったり、僕らができると本当に判断すれば、リスクテイクして道を作っていくっていうことは、やるべきじゃないかな。日本のために。
日本の構造改革に本気で、本当に必要な改革ができるのであれば、僕たちは政治家であり続けること、一生懸命しがみつくこと、その職業として何とかここは離れたくないっていうことではないと僕は思うんですよ。だからこそ皆さんに1票の力を与えてもらって、任期もあるわけですから。
ここで僕は自民党も含めて、日本の政治を変えられるチャンスじゃないかと思っているので、リスクテイクしてでも前へ進むべきじゃないかどうかを最後に判断するというところになります。
教育経済学者 中室牧子さん:
仮に今回連立ということになり、一緒にやっていくことになるそのプロセスで、例えば企業献金や議員定数削減のことで、自民党と意見が合わないということになったら、それは連立解消ってことになるんですか。
吉村洋文代表:
連立解消というか、まず連立を組むかどうかはまだ決めてないですし、そういったぐらいのことができなかったら、本当に連立組んで大丈夫なのかということにはなりますよね。いいように使われて終わりっていうふうにはならないと僕は思っていますので。
小川キャスター:
その覚悟はあるということですね。吉村代表にお話を伺いました。ありがとうございました。
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<プロフィール>
吉村洋文
日本維新の会代表
大阪府知事 弁護士から政界へ
参院選では「社保料を下げる改革」を主張
中室牧子
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」