(ブルームバーグ):10月第3週(14-17日)の日本株は上昇が一服する見込み。自民党の高市早苗新総裁誕生による政策期待は株価にいったん織り込まれた。公明党が連立政権離脱を決めるなど混迷する国内政局を注視しつつ、米国の利下げを左右する経済指標や国内外の企業業績を確認することになりそうだ。
米経済指標では15日に9月の消費者物価指数(CPI)、16日に小売売上高、17日に住宅着工件数が発表される。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想は、CPIが前月比0.4%上昇(前回0.4%上昇)、小売売上高は同0.4%増(同0.6%増)。米政府機関の閉鎖により一部の重要な指標が発表されない中、インフレ指標が予想の範囲なら利下げ期待が継続して米国株を支えそうだ。
海外では7-9月期決算の発表が本格化する。14日はJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、15日は蘭ASMLホールディング、16日は台湾積体電路製造(TSMC)が公表予定。金融は業種内や個別の動きとして捉えられやすい一方、TSMCなどテクノロジー企業が好調なら一定の安心感をもたらす可能性がある。
第2週の東証株価指数(TOPIX)は週間で2.2%高と反発し、8月2週(2.8%)以来の上昇率を記録。高市氏が予想外に自民党総裁選で勝利し、財政政策や経済対策への期待が株価を押し上げた。ただ、 連立政権を組む公明党の離脱が決まり、一気に不透明感が増した次期政権の枠組みなど政局動向からは目が離せない。
このほか、15、16日に20カ国・地域(G20)がワシントンで財務相・中央銀行総裁会議を開くほか、国内では日本銀行の田村直樹審議委員が16日に、内田真一副総裁が17日に講演やあいさつを行う。

《市場関係者の見方》
SOMPOアセットマネジメントの田中英太郎シニア・インベストメント・マネジャー
上げ一服だろう。高市氏への期待で株価が勢いよく上がり、バリュエーションもレンジの上限に近く、いったん落ち着きやすい。米国株は利下げへの期待が相当入っている。CPIが上振れると年内の利下げ見通しが変わり、株価の下落要因となる可能性がある。TSMCなどテクノロジー企業の決算は悪くなさそうだが、事前にある程度期待を織り込んでいる。
東洋証券の大塚竜太ストラテジスト
短期間で急激に上がってきた後の落ち着きどころを探る展開になるだろう。日本株の今後を占う米企業決算は意外と良くなりそうで、相場を支える。 国内では3月決算企業の決算発表まで間があり、投資家の関心が政治に集中する可能性がある。
--取材協力:石川英瑠、堤健太郎.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.