(ブルームバーグ):ファーストリテイリングは9日、今期(2026年8月期)の営業利益が前期比8.1%増の6100億円になる見通しだと発表した。5期連続で過去最高益を更新する計画だ。ブルームバーグが集計したアナリスト17人の予想平均5883億円を上回った。

引き続き、海外ユニクロ事業がけん引する。北米では、一部商品の価格見直しや販売計画の精緻化による値引き率の改善、経費削減で追加関税の影響を吸収できる見込みだ。
懸案の中国を含むグレーターチャイナについても、前期は大幅な減益だったが、構造改革を進めて増益に転換できるとしている。柳井正会長兼社長は決算説明会で、同地域の今期増益幅について「前年比減から増に持っていくのが最低限」と話した。
今期の想定為替レートは1ドル=146.9円、1ユーロ=171.4円とそれぞれ前期末と同水準を想定している。
同社はユニクロの成長余地は大きいと強調。欧州や北米、東南アジアなどを成長市場と位置付け、積極的に投資するとした。売り上げについては、欧州と米国では近い将来それぞれで1兆円、東南アジアではすべての国で1000億円、インドでは早期に500億円を目指す。
柳井氏は「全世界でこれだけ売れるのは今までなかった」とし、「原宿のフリースブームと同じことがいま世界で起きている」と話した。
ユニクロが力強く成長する一方で、課題は姉妹ブランドの「GU(ジーユー)」だ。マスを狙ったヒット商品の不発や売れ筋商品の発生で、売上高が横ばいとなったほか、人件費や米国出店に伴う費用増などで、前期は減益となった。今期は構造改革を進めて業績回復を目指すほか、ブランドを再定義するとしている。
ファストリは業績を踏まえ、前期の年間配当予想を1株当たり480円から500円に引き上げた。今期はさらに増配し520円を見込む。
(会見内容を追加しました)
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