アメリカのトランプ大統領は、パレスチナ自治区ガザをめぐる和平計画について、イスラエルとイスラム組織ハマスが「第1段階」に合意したと発表しました。

ガザをめぐり20項目の和平計画を提案したトランプ大統領。8日、報道陣に対し、今週末にもイスラエルとハマスの交渉が行われているエジプトを訪れる可能性があると述べた直後のことでした。

ルビオ国務長官からメモを渡され、真剣な表情で目を通します。そして、ルビオ氏が何かを耳打ちしました。

アメリカ トランプ大統領
「国務長官から“中東での合意が間近に迫っている”とのメモを受け取った。早急に私の助けが必要になるようだ」

メモに書かれていたのは…

メモの内容
「合意内容をあなたが最初に発表できるようにSNSの投稿内容を承認してください」

このおよそ2時間後、トランプ氏はSNSに「イスラエルとハマスが和平計画の第1段階に合意したことを誇りに思う」と投稿。ハマスが拘束している「すべての人質がまもなく解放される」とし、「イスラエルは合意したラインまで軍を撤退させる」と発表しました。

トランプ氏はアメリカにいる人質の親族と電話し、成果をアピール。

人質の親族
「(トランプ)大統領、私たちはあなたを信じています」
トランプ大統領
「人質は帰ってくる。全員、月曜日(13日)には戻るだろう」

ロイター通信は、人質は早ければ11日、遅くとも13日には解放される可能性があると報じています。

トランプ氏の発表を受け、イスラエルのネタニヤフ首相はSNSで「あす合意を承認する」と表明しました。そして、「第1段階の承認によりすべての人質が帰国する」と強調した上で。

イスラエル ネタニヤフ首相(SNS)
「イスラエルにとって外交的成功であり国家的勝利だ」

一方、ハマス側は「戦争の終結やイスラエル軍の撤退などを含む合意に到達した」と表明。トランプ大統領の努力に「深く感謝する」とし、アメリカや国際社会に対しイスラエルに合意を着実に履行させるよう求めました。

合意の発表を受けて、イスラエルでは人質の家族らから歓迎する声が上がりました。

そして、この日もイスラエル軍の攻撃が続いたガザでも。

ハンユニスの市民
「停戦、流血と殺りくの終結を神に感謝する」

7日で2年となり、死者は6万7000人を超えたガザでの戦闘。「第1段階」の合意にはこぎつけたものの、トランプ氏の和平計画にはあいまいな点も多く、恒久的な停戦が実現するかは依然不透明です。