米電気自動車(EV)メーカー大手テスラは7日、主力のスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」の廉価版を発表した。人気車種をより手頃な価格にして、米国のEV向け税額控除廃止による影響を和らげる狙いがある。

同社のウェブサイトによると、新型モデルの価格は3万9990ドル(約607万円)からと、最も安い既存のモデルYより約11%安い水準に設定した。航続距離は推定321マイル(約517キロ)で、上位のプレミアム後輪駆動モデルを約10%下回る。また、後部座席用のタッチスクリーンを搭載せず、スピーカー数も半分以下に減らした。

テスラは昨年初頭以降、廉価版EV投入への期待を高めてきた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が約2万5000ドルの低価格モデル投入よりも、自動運転技術と人型ロボットの開発を優先する方針を示し、投資家や関係者の間で懸念が出ていたことが背景にある。

テスラの7-9月(第3四半期)販売台数は過去最高を記録したが、年初来の世界販売台数は約6%減少している。最大市場の米国では、政府の税額控除の終了に伴いEV需要の減速が見込まれている。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)のアナリストは、米国でのバッテリー式電気自動車およびプラグインハイブリッド車の販売台数が、7-9月の約50万台から10-12月には約33万2000台に減少すると予測している。

7日終盤の取引で、テスラ株価は約4%下落。

 

原題:Tesla Unveils New $39,990 Version of the Model Y (Correct)(抜粋)

(BNEFの予測を追加して更新します)

--取材協力:Joe Carroll.

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