(ブルームバーグ):米フロリダ州マイアミのスアレス市長は、大物著名人が数多く参加するビジネスフォーラムを仕切る。会議にはトランプ米大統領のほか、サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシ選手、ハリウッド俳優のウィル・スミスさん、ヘッジファンド界の大物ケン・グリフィン氏らが参加し、次の駐サウジアラビア米国大使とうわさされるスアレス氏の華麗な人脈を物語っている。
暗号資産(仮想通貨)の普及やテック企業の誘致に積極的なスアレス氏は、11月5日にマイアミで開催される「アメリカ・ビジネス・フォーラム」について、8年間務めた市長の任期を締めくくる集大成と位置づけている。

当日はJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)やテニスの元王者ラファエル・ナダル氏も含め、ビジネス、エンターテインメント、スポーツ各界の著名人が集結する。
前日の4日には、スアレス氏の後任を決めるマイアミ市長選挙が行われる。候補者の中には、1980-90年代に同じくマイアミ市長を務めたスアレス氏の父親も含まれている。スアレス氏は自身の父親に投票する予定だ。
スアレス氏はインタビューで、来年は国際サッカー連盟(FIFA)が主催するワールドカップ(W杯)と主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開催されるため、「マイアミにとって転機となる年だ」と語った。マイアミは「ラテンアメリカの首都」という呼称から脱却し、真のグローバル都市としての地位を確立できるという。
W杯北中米3カ国大会ではマイアミでも複数の試合が開催される予定。
こうした中、スアレス市長は人脈をフル活用して11月のフォーラムへの出席者を集めている。

最大の成果は先月の大統領執務室での出来事だ。トランプ氏が来年のG20サミット開催地について、自身がフロリダ州に所有するゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」で開催すると発表した際、スアレス氏はスマートフォンを取り出し、フォーラムへの招待ビデオを見せた。
スアレス氏によると、トランプ氏はワイルズ首席補佐官に「フォーラムに行きたい」と伝えたという。
ホワイトハウスからのコメントは得られていない。
2024年の米大統領選で一時、共和党候補の指名争いに名乗りを上げたスアレス氏にとって、今回のフォーラムは次のステップへの布石となる。
スアレス氏は市長在任中、サウジアラビアやカタールで強固な人脈を築いたほか、スポーツ界や地元経済界とのつながりも深めてきた。
自宅でブルームバーグの取材に応じた同氏は、現時点では選挙を経て再び公職に就くつもりはないとした上で、大使就任に関する「話」があると語った。スアレス氏は以前、駐サウジアラビア大使の有力候補になっているとうわさされていた。
スアレス氏は「国や機会に応じて検討する」と話した。
異例なのはメッシ選手によるフォーラムへの参加だ。23年に米プロリーグMLSのサッカークラブ「インテル・マイアミ」へ電撃移籍した同選手は、イベントへの参加やインタビューの対応をほとんど行わないことで知られる。
スアレス氏は、同クラブのオーナーであるホルヘ・マス氏と親しい関係にある。マス氏は26年W杯に向けてメッシ選手との契約延長を目指している。
原題:Miami Mayor Lures Trump, Messi, Griffin as Part of Final Act(抜粋)
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