(ブルームバーグ):オーストラリアの小型株指数が、2009年以来の好パフォーマンスとなりそうだ。地政学的な緊張の高まりが防衛関連株の追い風となっているほか、金相場上昇も金鉱株を下支えしている。
ASX小型株指数は年初来で約24%上昇。同国の優良株で構成されるS&P/ASX200指数に比べ2倍余りの上昇率となっている。小型株指数を構成する198銘柄のうち、20銘柄が100%以上値上がりした。
人工知能(AI)ブームを背景に世界的には小型株よりも大型株が相場をけん引する中、オーストラリアでの小型株のアウトパフォームは注目に値する。シドニー市場では大型テクノロジー株が限られており、投資家は他のテーマに関連する比較的知名度が低い銘柄を物色している。
ドローン検知関連企業のドローンシールドは年初来で754%上昇し、小型株指数の構成銘柄の中で上昇率トップとなっている。検知関連プロダクトの販売が急増している。
2番目は同じくドローン対策関連のエレクトロ・オプティック・システムズ・ホールディングスで、上昇率は538%となっている。

メルボルンのプライム・バリュー・アセット・マネジメントで小型株を担当するポートフォリオマネジャー、リチャード・アイバース氏は、「ドローンは新たな戦争の領域だ」と指摘。
ドローンシールドとエレクトロ・オプティック・システムズは「このテーマに直結する」企業であり、ウクライナでの紛争の長期化に伴い無人兵器の使用が続く中、テーマの重要性が増していると説明した。
主要通貨の「ディベースメント取引(通貨価値切り下げトレード)」が広がる中で金相場が上昇していることも追い風となっている。金価格が年初来で50%余り上昇したことを背景に、パントロ・ゴールドやキングスゲート・コンソリデーテッドなどが恩恵を受けている。
インフィニティ・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ピアーズ・ボルジャー氏は「過去6-12カ月で金価格は大きく上昇し、小型の金鉱株でも同様の上昇が見られた」と話した。
原題:A 754% Rally in Drone Defense Firm Lifts Australia Small Caps(抜粋)
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