(ブルームバーグ):米アルファベット傘下グーグルを巡り米司法省が起こした反トラスト法(独占禁止法)訴訟で、グーグルは8日の審理で、自社の地図アプリと動画共有サービス「YouTube」を、対話型人工知能(AI)モデル「Gemini」と組み合わせて提供する権利を維持したい考えを示し、こうした慣行の禁止を求める米司法省の提案に反論した。
首都ワシントンの連邦地裁での裁判で、グーグルのジョン・シュミットライン弁護士はアミット・メータ判事に対し、AI市場で「グーグルがこれまでに独占的な立場や市場支配力を得たという認識はない」とした上で、「マップやYouTubeが独占的な製品だということも裏付けられていない」と主張した。
メータ判事は、グーグルが検索および検索広告市場を独占していると認定しており、是正措置の策定に取り組んでいる。
9月の判断では、グーグルが自社の検索エンジンやウェブブラウザー「Chrome」、アプリストア「Google Play」の独占的利用を企業に促すための支払いを今後はできないと結論付けたが、全面的な支払い禁止には踏み込まなかった。
この判断にはグーグルと司法省の双方の提案が反映された。これに基づき8日の審理では最終命令に盛り込む文言について議論が行われた。
司法省側は、検索エンジンやChrome、Google Playに適用される制限をGeminiにも適用すべきだと主張した。
一方、シュミットライン氏は、AI産業はまだ発展途上にあり、グーグルが他社と同様の手法を使うことを禁止すべきではないと述べた。グーグルがGeminiとYouTube、マップをセットにして提供するのは、マイクロソフトがAIチャットボット「Copilot」を「Office」に組み込む手法に似ていると訴えた。
だがメータ判事は、端末メーカーがYouTubeやマップを利用するためにGeminiも受け入れざるを得ない状況になることに懸念を示し、グーグルが市場での影響力を行使して自社のAI事業の優位性を高める結果になりかねないと指摘した。最終判断を下す時期は明らかにしていない。
原題:Google Wants Right to Bundle Gemini AI App With Maps, YouTube(抜粋)
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