家庭用バッテリーの米スタートアップ、ベースパワーは蓄電事業の拡大とテキサス州での製造工場建設のため10億ドル(約1530億円)を調達した。

ベースパワーは8日の発表文で、米ベンチャーキャピタル(VC)のアディションが主導した資金調達ラウンド「シリーズC」について、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズやアンドリーセン・ホロウィッツ、アルティメーターなど既存投資家も参加したと明らかにした。ベースパワーはこの資金をエネルギー貯蔵用製品の生産増強に充てる予定だ。

ジャスティン・ロパス最高執行責任者(COO)は、「当社は送電網をバックアップするための国内製造能力を構築している。オースティンにあるこの工場がわれわれの第1号であり、すでに第2号を計画している」と語った。

データセンターからの電力需要の増加や経済の電化が進む中、老朽化した送電網を支える必要性が高まり、バッテリー各社は米国で事業を拡大している。

ベースパワーは、従来の天然ガスやプロパンを燃料とする発電機の数分の一のコストで、住宅用バックアップ電源システムを設置している。共同創業者ザック・デル氏のビジネスモデルでは、地域の電力価格が低いときにバッテリーが充電される。

猛暑や寒波など需要が高まる時期に、蓄電された電力の一部を利用することで、電気料金の差額を取り込むとともに、各家庭が十分な予備電力を確保して、電力の瞬断や停電を避けることができるようにする。

デル氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ベースパワーは新たな生産施設によって、「急増する需要に対応するための独自のハードウエア構築と全米展開」が可能になるとコメントした。

原題:Household-Battery Startup Raises $1 Billion for Expansion (1)(抜粋)

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