自民党の高市総裁は、今月17日から19日の日程で靖国神社でおこなわれる秋の例大祭の参拝を見送る方向で調整に入りました。

今年の8月15日。高市氏の姿は東京・九段の靖国神社にありました。

自民党 高市早苗氏(今年8月)
「尊崇の念をもって哀悼の誠を捧げてまいりました」

これまで、総務大臣など閣僚を務めた時期も含め「終戦の日」や春と秋の例大祭には靖国神社を参拝してきた高市氏。総裁就任後の記者会見では参拝について、次のように話していました。

自民党 高市早苗 総裁
「適時・適切に判断をさせていただきます」

しかし、高市氏周辺によりますと、今月17日から始まる今年の秋の例大祭には参拝を見送る方向で調整に入りました。なぜなのでしょうか?

公明党 斉藤鉄夫 代表(きのう)
「特に我が党の支持者、党員の方が新総裁に対して抱いている懸念、3点申し上げました。2点目が靖国をはじめとする歴史認識について」

連立協議をおこなっている公明党の斉藤代表は高市氏の靖国神社参拝に強い懸念を表明。

さらに、高市氏を待ち構えるのが外交日程です。

今月中旬以降、国会で石破総理の後任に選出されたら、▼来日するアメリカのトランプ大統領との首脳会談に臨む予定であるほか、▼月末には、韓国で開催されるAPEC=アジア太平洋経済協力会議など、重要な外交日程が控えています。

外交への影響を避ける必要に迫られたものとみられます。

最近ではもう1人、靖国参拝に強いこだわりを示した総裁がいました。安倍元総理です。ただ、安倍氏が総理在任中に参拝したのは一度きり。終戦の日や例大祭の期間ではない12月26日でした。

高市氏も今後、難しい判断が迫られていくことになります。