米消費者の1年先インフレ期待は9月に3.4%に上昇した。ニューヨーク連銀の月次調査で明らかになった。低・中所得層が特に物価上昇圧力の負担を感じている兆候が見られる。

インフレ期待の上昇は、年間所得5万ドル(約760万円)未満の世帯と最終学歴が高校卒業の消費者の間で最も顕著だった。5年先のインフレ期待は3%と、前月(2.9%)から小幅に上昇。3年先は3%で横ばいだった。

米連邦準備制度理事会(FRB)の当局者は、消費者物価の上昇見通しを注視しており、関税措置による物価上昇が一時的なものにとどまるのか、それとも持続的なインフレショックにつながるのかを見極めようとしている。連邦公開市場委員会(FOMC)は9月会合で0.25ポイントの利下げを決定。政策当局者の予測中央値によると、年内にさらに2回の利下げが見込まれている。

ただ、一部の当局者は追加利下げに慎重だ。基調的なインフレを示す指標は、依然としてFRBの目標である2%を約1ポイント上回っている。インフレが高止まりし、企業が採用を控える中、今回のニューヨーク連銀以外の調査でも、消費者心理の悪化が示されている。

調査によると、労働市場に対する消費者の期待は悪化が続いた。今後1年以内に職を失う可能性があるとみる消費者の割合が高まり、失業率が上昇するとみる消費者の比率も上昇。一方、失職しても今後3カ月以内に新たな職が見つかる可能性があると考える消費者の割合はやや上昇。8月には過去最大の低下を記録していた。

家計に対する見方は強弱まちまち。1年前より生活が向上したと回答した消費者の比率が高まった一方、今後1年に状況が悪化すると回答した人の比率も上昇した。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:Inflation Expectations for Year Ahead Rise in Fed Survey(抜粋)

(統計の詳細を加え、更新します)

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