ドイツ銀行のストラテジストは、自民党総裁選で高市早苗氏が勝利したことを受け、日本銀行による利上げの時期など政策の優先順位が明確になるのを見極めるまで、円への強気なポジションを手じまう方針を示した。

同行のティム・ベイカー、マリカ・サチデバ両ストラテジストは「自民党総裁選での高市早苗氏勝利は、市場にとって大きなサプライズだ」とリポートで指摘。「当社の基本シナリオでは、円は一時的に150円近辺まで下落する可能性があるが、円が傾向的にさらに大きく下落するとはみていない」と続けた。

「財政悪化で金融政策が制約される『フィスカル・ドミナンス(財政従属)』の兆候をわれわれは引き続き警戒している」とし、「次回の利上げ時期を巡る不透明感が高まっているため、円に対するスタンスをニュートラル(中立)に戻す」と記した。

ドイツ銀はドルとポンドに対して、円強気のポジションを建てていた。

「日銀はいずれ引き締めを実施する可能性があるとの見方を当社は維持している。ドルのヘッジコスト低下や円の極端な過小評価、日本資産へのレパトリエーションは円相場の中期的な方向性を左右する重要な要因になる」とストラテジストらは説明。

「しかし、予想外の政治的展開を踏まえると、現時点でこうしたプラスの材料は見当たらないようだ。そうした支援材料がなければ、円のロングポジションでマイナスの金利差(ネガティブキャリー)にあらがうのは難しい」と論じた。

原題:Deutsche Bank Turns Neutral on Yen From Bullish on Takaichi Win(抜粋)

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