経営破綻した米サブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスは、ローン債権を金融機関からの与信枠や資産担保証券(ABS)の担保として差し入れていた。しかし、一部の債権の車両識別番号(VIN)などが他のローンと重複する事実が、初期段階の調査で確認された。

複数の調査関係者が匿名で語ったところでは、トライカラーが実行した約7万件のローン債権のうち約40%(2万9000件以上)は、VINを含む属性が少なくとも他の1件のローンと一致したという。

ウォール街の金融機関やABS保有者は、トライカラーへのエクスポージャー(リスク債権)が過去数年で合計20億ドル(約3000億円)を上回る。同社が米連邦破産法に基づく清算手続きを先月申請して以降、財務実態の把握を銀行などは急いでいる。

トライカラーのローンにひも付けられたVINを入念に調査する金融機関や管財人など当事者の一部は、番号の偽造や重複の可能性を懸念し、不良債権を隠すか、ポートフォリオの価値を水増しする目的で利用された疑惑が浮上した。

異なる債権者に同一の担保が設定されていなかったか連邦当局も調べを進めている。

トライカラーの創業者ダニエル・チュー氏と同社の代理人、清算手続きを監督する管財人の法務担当にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。 トライカラー向けにウェアハウスファシリティーと呼ばれる与信枠を設定していた米銀JPモルガン・チェースとフィフス・サード・バンコープの担当者はコメントを控えた。

原題:Tricolor Records Show Same Cars Tied to Thousands of Loans(抜粋)

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