長期金利が一時、17年ぶりの水準となる1.68%まで上昇しました。自民党の高市新総裁の政策をめぐり、財政悪化の懸念が浮上したことが要因です。
きょうの債券市場で、長期金利の代表的な指標である10年物の国債利回りは一時1.68%まで上昇しました。2008年以来、およそ17年ぶりの高水準です。
おととい行われた自民党の総裁選で選出された高市氏が、積極的な財政政策を推し進めるとの見方が拡大。国債は売られて価格が下がると利回りが上昇する仕組みですが、財政状況が悪化するのではとの懸念から、きょうの債券市場では国債に売り注文がかさみました。
また、高市氏がこれまで金融緩和を重視する姿勢を示していたことから、日銀が追加利上げに踏み切りづらくなったとの観測が拡大したことも重しとなりました。
長期金利の上昇は住宅ローンの固定金利などに影響するほか、企業が資金を借り入れる際の利息の増加にもつながります。

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