日本銀行が6日に開いた10月の支店長会議では、人手不足感の強さや最低賃金の引き上げから、引き続き高めの賃上げが必要とする企業の声が多く聞かれた。会議での報告をまとめた「各地域から見た景気の現状」を6日公表した。

一方、各国の通商政策の影響や海外経済の減速などにより企業収益が大きく下振れた場合には、賃上げを抑制せざるを得ないとの声もあった。

会議に合わせて公表した地域経済報告(さくらリポート)では、全9地域のうち北海道が景気の総括判断を引き下げ、残る8地域は据え置いた。

植田和男総裁は3日の講演で、賃金と物価が「緩やかに上昇していくメカニズムは、今後も維持される」とし、見通しに沿って経済・物価が推移すれば利上げを続けていく方針を改めて示した。利上げのタイミングを探るため、企業からのヒアリング情報に基づいた来年の賃上げなどに関する支店長会議での報告が注目されていた。

市場では、日銀の利上げ時期を巡って予想が揺れ動いている。9月の金融政策決定会合で政策委員9人のうち2人が政策維持に反対したことなどを受けて、10月の利上げ予想が一時70%近くまで上昇。しかし、4日の自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障相が勝利したことで、足元では2割台に急低下している。

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