インドの新規株式公開(IPO)市場が重要な局面を迎えている。10月のIPOによる資金調達額は、過去最高の50億ドル(約7500億円)を超える見通しだ。

今週は、インドの金融サービス会社タタ・キャピタルと、LGエレクトロニクス・インディアが一般投資家からの需要を募る。ともに10億ドル超規模のIPOとなり、タタ・キャピタルは、今年インドで最大規模の案件となる見通しだ。

インドのIPO市場は、世界的な関税ショックや地政学的な緊張にもかかわらず勢いが増している。2件のIPOは、今年世界有数の活況を見せるインドIPO市場の投資意欲を測る試金石となる。

IPOラッシュは、高い経済成長率を誇るインドで事業拡大に向けた資金調達を図る企業が促してきた。一方、需要側は、国内資金の厚みとともに過去9年間にわたる主要株価指数上昇で勢いづく数多くの個人投資家が支えている。

 

ユニークス・コンサルテックのパートナーのラグラム・ケー氏は、「今は供給を吸収できる余力が十分にある」と語り、投資信託や保険会社といった国内機関投資家の存在感の高まりを指摘した。同氏によれば、個人投資家の毎月の積み立て方式による資金が投資信託に集まっており、運用サイドに資金を投じる自信をもたらしているという。

インドの株式市場は、企業業績の伸びの鈍化を巡る懸念や米印関係の緊張を背景に、2025年に入り勢いを失っている。代表的な株価指数のNSEニフティ50指数の上昇率は今年5%にとどまり、約23%上昇したアジア株全体の指数にアンダーパフォームしている。

一方、ブルームバーグの集計によれば、インドの25年1-9月末のIPO調達額は112億ドルに到達。世界で4番目の規模となっている。

原題:Indian IPO Market Set for Record Month With $5 Billion in Deals(抜粋)

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