パキスタン政府は、ニューヨーク・ミッドタウンにある老舗ホテルのルーズベルトホテルについて複数の選択肢を検討している。国際通貨基金(IMF)との合意履行に向けた取り組みの一環だという。

民営化担当の首相顧問ムハンマド・アリ氏によると、選択肢の一つはこの歴史的建造物を取り壊し、跡地に超高層ビルを建設する案。同氏がイスラマバードでブルームバーグに語ったところでは、政府はパキスタンが土地、パートナーが資金をそれぞれ提供する合弁事業に着目している。

また、同氏はもう一つの選択肢として、経済的に合理性があればホテルを維持する案にも言及した。

パキスタン航空(PIA)が所有するルーズベルトホテルは、新型コロナウイルスの流行期に閉鎖された後、一時的に移民の受け入れ施設として使われていたが、現在は閉館している。

アリ氏は「合弁事業のパートナー選定と市場調査の完了後、数カ月以内に方向性が明確になるだろう」と述べた。

シャリフ政権は、IMFの70億ドル(約1兆円)の融資を巡る合意条件に基づき、国有企業の再編・売却を数年ぶりに本格化させている。

最初に売却される資産は、PIAとなる可能性がある。同社はこれまで度重なる政府支援で存続してきたが、もはや政府にその余裕はない。

パキスタン政府は現在、ルーズベルトホテルの取引を巡るアドバイザーの選定手続きを進めている。シティグループ、CBREグループ、サヴィルズなど7グループによる入札を経て、月内に最終決定する予定だ。

原題:New York’s Roosevelt Hotel May Make Way for New Skyscraper(抜粋)

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