人工知能(AI)向け半導体メーカーで、データセンター運営も手がける米セレブラス・システムズは、1年余り前に公表していた新規株式公開(IPO)の申請を取り下げた。

3日の届け出によると、セレブラスのIPO登録届出書は当局から有効化されておらず、それに基づくIPO計画を前に進める予定はないという。

同社は数日前に総額11億ドル(約1650億円)規模の資金調達ラウンドを完了し、調達資金を含めた企業評価額は81億ドルとなった。アンドリュー・フェルドマン最高経営責任者(CEO)は同ラウンドについて、上場計画には影響しないと述べていた。

今回の調達ラウンドはフィデリティ・マネジメント&リサーチとアトレイデス・マネジメントが主導。既存投資家のアルティメーター・キャピタル・マネジメントとベンチマークに加え、タイガー・グローバル、ヴァロー・エクイティ・パートナーズが参加した。ドナルド・トランプ・ジュニア氏がパートナーを務める1789キャピタルも投資家に名を連ねる。

テクノロジー業界では、新たなAIインフラに巨額の資金を投じる動きが相次いでおり、こうしたインフラが世界経済を変えるとみられている。

ここ数週間の米IPO市場も活況で、ネットスコープやフィギュア・テクノロジー・ソリューションズなどのテック企業は上場後に少なくとも20%を超える上昇を演じた。

セレブラスは2024年9月にIPOを申請。アブダビのAI企業G42との関係を巡り、対米外国投資委員会(CFIUS)の審査を受けていることを明らかにしていたが、今年3月にCFIUSとの未解決の問題を全て解決したと発表している。

原題:AI Computing, Chip Startup Cerebras Withdraws IPO Registration(抜粋)

--取材協力:Ian King.

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