(ブルームバーグ):3日朝の外国為替市場の円相場は1ドル=147円台前半と前日夕からやや下落して推移。米国で政府機関の閉鎖を受けたドル売りが一巡して買い戻されている。日本銀行の植田和男総裁の発言に注目が集まる。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の小野寺孝文ファーストバイスプレジデントは、米政府機関閉鎖から2日経過したが米株はプラスで引け、VIXやMOVE指数などボラティリティー指数はあまり混乱しているように見えないと指摘。ドル・円は「民間の雇用指標を受けてドルが買い戻された。米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言もあり、米金利低下の中でもしっかり」と述べた。
2日の米10年国債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.08%程度で引けた。ブルームバーグ・ドルスポット指数は0.1%上昇した。スワップ市場は年内1.9回程度の米追加利下げを織り込んでいる。
日銀行の植田総裁は3日、大阪経済4団体共催懇談会で講演し、その後記者会見も行う。10月の金融政策決定会合での利上げに向けた地ならしがあるかどうかが注目されている。
三菱UFJ信託の小野寺氏は、2日は内田真一副総裁の企業短期経済観測調査(短観)を評価する発言があり、東京市場では円買いに振れる局面があったので、「植田総裁からタカ派的な発言があれば円買いが出てくる可能性がある」と述べた。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは3日付のリポートで「4日に自民党総裁選、6日には支店長会議を控えていることもあり、現段階で10月利上げへのコミットが示される可能性は低そうだ」との見方を示した。

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