(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、ボート行政管理予算局(OMB)局長との協議を控え、「数千人規模」の連邦職員削減を検討している。2日目に入った政府機関閉鎖を終わらせるため、民主党に圧力をかける狙いがある。
ホワイトハウスのレビット報道官は2日、「数千人規模になる可能性が高い」と記者団に対し発言。「ホワイトハウスのチーム全体」が削減対象を特定する作業を進めていると述べた。
その上で「政権の価値観に合わず、税金の無駄使いだと感じる政府機関を対象に検討していく」とした。
これに先立ち、トランプ氏はボート氏との会合で「多くの民主党の機関のうち、どこを削減すべきか、また削減が一時的なものか恒久的なものかを決定する」とSNSに投稿していた。
共和党は連邦官僚機構の恒久的な削減をちらつかせることで、民主党に歩み寄りを迫っている。ホワイトハウスは2日にも人員削減を発表する可能性があると警告していた。だが、予算の専門家からは、政府閉鎖中に恒久的な人員削減を実施するために資金を支出するのは違法だとの指摘も上がっている。
共和党のジョンソン下院議長はトランプ大統領には政府閉鎖中に職員を解雇し歳出を削減する権限があると述べ、トランプ氏の対応は正当だとの考えを表明。連邦予算が失効した責任は民主党にあると非難した。
「民主党が政府閉鎖を長引かせるほど、痛みは増す」と指摘。さらにホワイトハウスは「政権の優先事項を精査し、その資金確保を確実に行う」と記者団に述べた。
ボート氏はニューヨーク市のインフラ事業や、2024年大統領選で民主党のカマラ・ハリス候補が勝利した州のクリーンエネルギー事業への資金拠出も停止し始めている。
つなぎ予算を巡っては、民主党がオバマケア医療保険制度の補助金延長などを盛り込むよう求め、両党の対立が続いている。
ベッセント財務長官はCNBCに対し、「民主党はテロリストのように交渉したがっている」と述べ、民主党の交渉姿勢を批判。共和党は「クリーンな」つなぎ予算の成立を目指していると続けた。
政府機関の閉鎖は数日間続く見通しだ。2日はユダヤ教の贖罪日(ヨム・キプル)にあたり、上下両院とも採決予定はない。上院は3日に再開予定だが週末も審議を行うかは不透明。下院は来週7日まで休会となっている。
原題:Trump Eyes Firing Thousands of Federal Workers Over Shutdown (2)(抜粋)
(レビット報道官の発言を追加して更新します)
--取材協力:Maria Paula Mijares Torres.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.