オーストラリア最大級の石炭火力発電所が、従来の予定より6年早く閉鎖される見通しとなった。

主要株主である鉱山会社リオティントは1日、グラッドストーン発電所は既存の供給および運営契約が2029年3月に満了する際に閉鎖される可能性があると発表した。「最終決定はまだ下されていない」としている。これまでは35年の閉鎖が予定されていた。

米電力会社NRGエナジーが運営するグラッドストーン発電所は、クイーンズランド州最大の発電所。1976年に操業を開始し、1680メガワットの出力はオーストラリア全体の石炭火力発電能力の7%余りを占める。毎年、州内の炭鉱から約400万トンの石炭が鉄道で同発電所に運ばれている。

 

今回の発表の数週間前、オーストラリア政府は35年までに温室効果ガス排出量を05年比で62-70%削減する目標を打ち出した。

しかし、ブルームバーグNEF(BNEF)の試算によると、50年までに排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を達成するためには、今後10年間で71%削減することが必要だ。オーストラリア政府の目標はそれを下回っている。

リオティントの発表によれば、グラッドストーンの所有各社は、エネルギー市場および将来の跡地利用の選択肢について協議した上で、閉鎖のスケジュールと戦略を策定する方針。ボイン・スメルターズを含む既存の電力供給契約は閉鎖まで継続される。

オーストラリアの老朽化した石炭火力発電所群は依然として発電の基盤を担っているが、今後10年間で大半が閉鎖される見込みだ。故障の頻発で市場の不安定さが増している。BNEFのデータによると、24年後半のオーストラリア石炭火力発電の稼働コストは、太陽光・風力・複合サイクルガスタービンを上回った。

リオティントはグラッドストーン株の42.125%を保有し、NRGの子会社が37.5%を所有。その他の株主はサザンクロスGPSとRyowa II GPS、YKK GPS。

原題:Major Australian Coal-Fired Plant to Close Six Years Early (1)(抜粋)

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