(ブルームバーグ):不適切会計を巡る調査が続くニデックの社債スプレッド(国債との利回り格差)が最高水準に拡大した。同社の有価証券報告書について監査法人は異例の「意見不表明」とし、投資家の不安は株式だけでなく社債市場でも広がっている。

ブルームバーグのデータによれば、2025年11月償還のニデック債のスプレッドは1日時点で約36ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、過去最大になった。
社債のスプレッドは一般的に企業の信用力に応じて変動し、信用力が低下すると拡大する。ブルームバーグのデータによると、同社は26年までに約1300億円の社債償還を控えており、今後の資金調達にも影響を与える可能性がある。
フジワラキャピタルの土屋剛俊社長は、現状、投資家がニデックの社債を購入するために社内で稟議(りんぎ)を通すのが難しくなっていると指摘した。その上で「すべての問題が片付かないと、資本市場に出ていくことはできないだろう」と話す。
ニデックは9月3日、経営陣の関与が疑われる不適切な会計処理が行われた可能性があると発表し、第三者委員会を設置して調査することを決めた。監査法人のPwCジャパンは、十分な監査証拠が得られなかったとして、同社が期限から3カ月近く遅れて26日に提出した前期(25年3月期)の有価証券報告書に監査意見を表明しなかった。
同社の株価は同月3日の終値から今月1日までに17%下落、同期間にほぼ横ばいだった東証株価指数(TOPIX)を大きく下回っている。

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