欧州中央銀行(ECB)が26日に発表した月次調査によると、ユーロ圏の消費者によるインフレ期待は8月に上昇しており、追加利下げに反対する声を裏付ける結果となった。

発表によると、今後12カ月の物価上昇率は2.8%と見込まれ、7月の2.6%から上昇した。3年先の見通しは変わらなかったものの、5年先は2.2%に小幅上昇した。

インフレ率が2%にとどまる中、ECB当局者は物価の抑制に自信を示しており、現行の金利水準に満足している。ただし、一部では、今後2年間のインフレ率が目標を下回るリスクを懸念する声や、逆に欧州の防衛費拡大などの要因をより重視する向きもある。

ユーロ圏20カ国のインフレ率は8月に2%だったが、9月は2.3%に上昇する見込みだ。

複数の当局者は、インフレ目標を外れた際に対応するかどうかを決める上で、インフレ期待が重要な役割を果たすと強調している。来年に予想される下振れについては、将来の物価上昇見通しが安定していることもあり、大きな懸念材料とはされていない。

ECBは、他の財やサービスよりも速いペースで上昇している食料品価格にも注視している。シュナーベル理事は、食料品価格がインフレ期待を刺激する可能性があると警告している。

原題:ECB Says Consumers’ Inflation Expectations Rose in August(抜粋)

--取材協力:Mark Schroers、Barbara Sladkowska.

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