(ブルームバーグ):来週の円相場は下落圧力が続くと見込まれる。堅調な米国の経済統計によって米利下げ期待が剝がれて金利が上昇し、ドル買いが強まる上、自民党総裁選を巡る警戒感から円が売られやすい。
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 今のドル・円の上昇は期末を控えたポジション調整によるドル買い戻しの影響が大きく、150円を超えると上値は重くなりそう
- 日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)で利上げ期待が高まり、ドル・円の上値を抑制するだろう
- 米国の雇用統計で失業率が悪化すると米利下げ期待が高まり、ドル・円の下落材料になる
- 自民党総裁選はどの候補者が選ばれるか分からず、不透明要因
- 予想レンジは1ドル=147-152円
◎三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの井野鉄兵チーフアナリスト
- 日米でイベントが多く、国内では日銀短観に注目。米関税の企業活動への影響が大きくないと確認されれば、本格的に10月利上げを検討することになり、円高要因に
- 自民党総裁選は現段階で強く材料視されていないようだが、形勢が見えてくると動く可能性がある。高市早苗前経済安全保障担当相が党員票を伸ばしているとの一部報道もあり、リスクとして円安方向が意識される
- 米国は雇用統計が10月FOMCの利下げの有無を決める要因になり、ドルが買い戻されるかどうかだ
- 予想レンジは1ドル=147-152円
主な予定
- 29日:日銀の野口旭審議委員が札幌商工会議所で講演
- 1日:日銀短観(9月調査)
- 2日:日銀の内田真一副総裁が全国証券大会であいさつ
- 3日:日銀の植田和男総裁が大阪経済4団体共催懇談会で講演、その後記者会見
- 3日:9月の米雇用統計
- 4日:自民党総裁選挙
--取材協力:清原真里.
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