10月1週(9月29日-10月3日)の日本株は堅調に推移する見込み。米利下げ観測に加え、国内では企業収益の改善期待が強まりそうだ。自民党の総裁選を控え、好材料視する買いも入りやすい。

米国では雇用統計など重要な経済指標の発表が相次ぐ。10月3日公表の9月の雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想が5万人増。2万2000人だった8月に続き、伸びは低水準にとどまる見通し。利下げ観測を促し、日米株式相場を支えるだろう。

雇用統計以外には、9月30日に消費者信頼感指数、10月1日に米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、3日にISM非製造業景況指数の発表がある。

国内では、日本銀行が1日に企業短期経済観測調査(短観)を公表する。大企業製造業の業況判断指数(DI)の市場予想は15と前回の13から改善し、非製造業は33(前回は34)と高止まりする見込み。企業の先行き景況感が極端に悪化しなければ、投資家の買い安心感につながりそうだ。2日は内田真一副総裁、3日には植田和男総裁がそれぞれ講演を行う。

自民党は4日に総裁選の投開票を行う。各社調査では、小泉進次郎農相と高市早苗前経済安全保障担当相が優勢で、経済面の政策を期待した買いが盛り上がりそうだ。9月4週のTOPIXは週間で1.2%高と反発。新首相による政策期待も相場を支える一因となった。

《市場関係者の見方》

三菱UFJアセットマネジメント戦略運用部の向吉善秀シニアエコノミスト

米国株高などを追い風に、高値トライする可能性がある。米雇用統計では、よほど強い非農業部門雇用者数さえ出なければ10月の利下げ期待は変わらず、米国株は高値圏を維持しそうだ。日銀短観で大企業製造業の収益が大きく悪化しなければ、利上げ観測が高まりバリュー(割安)株を中心に高値を試すだろう。自民党総裁選は誰が選ばれても野党との協議で財政が膨らむため、株価にプラスだ。

SBI証券の鈴木英之投資情報部長

上昇ピッチが速く、自民党総裁選の材料では大きく振れそうにない。今の株式市場は誰も参加しない様子見相場とは異なり、強気と弱気が対立している構造だ。日経平均株価は4万5000円で値固めが必要になるだろう。

--取材協力:我妻綾、堤健太郎.

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