(ブルームバーグ):米国企業の社債発行額が今月、歴史的な高水準に達している。借り入れコストの低下や根強い投資家の需要を背景に、テクノロジー大手や電力会社などが発行に動いている。
ブルームバーグの集計によれば、オラクルによる24日の180億ドル(約2兆6800億円)規模の案件を含めて、米投資適格債の発行額は今月1900億ドルを超えた。月間でこの水準まで達したのは、今月を含めて7回のみだ。
一方、ジャンク債の発行額は430億ドルで、2021年9月以来の高水準に達する見通し。
投資適格債の発行額は23日の時点で、9月として過去最高額に達した。9月は例年最も発行が膨らむ月の一つだが、先週の平均上乗せ利回り(スプレッド)は、約30年ぶりの小幅な数値に縮小していた。
オールスプリング・グローバル・インベストメンツのシニア債券トレーダー、マーク・クレッグ氏は、投資適格級の借り手にとって「これ以上のタイミングはない」と指摘。「あらゆる案件で需要が膨らんでおり、新発債のコンセッション(企業が投資家に提供するプレミアム)はなくなっている」と述べた。
夏場に借り入れコストが低下したことを受け、企業は決算発表に伴うブラックアウト期間に入る前に資金調達を急いでいる。10-12月期(第4四半期)は例年発行が鈍りやすく今の有利な調達条件を確保しようとする動きも出ている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定し、年内さらに2回の利下げを予想。9月を通じて社債発行は堅調となっている。
原題:US Corporate-Bond Sales Surge as Borrowing Costs Keep Falling(抜粋)
--取材協力:Gowri Gurumurthy、Brian W Smith.
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