(ブルームバーグ):米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は24日、追加の利下げが必要になる可能性が高いとしつつも、米金融当局は慎重に対応すべきだとの認識を示した。
デーリー氏はユタ大学でのイベント向けに準備した講演原稿で「物価安定を回復しつつ労働市場への必要な支援を行うため、今後さらに政策調整が必要になる可能性が高い」と述べた。
「ただ、これは見通しであって約束ではない。目標を基軸に据え、トレードオフを評価し、繰り返し判断を重ねることが重要だ」とし、不確実な局面では着実かつ慎重な意思決定が必要だと強調した。
米金融当局は先週、昨年12月以来となる利下げに踏み切り、政策金利を0.25ポイント引き下げた。デーリー氏は、経済成長や個人消費、労働市場が減速していることを踏まえ利下げを「全面的に支持した」と明らかにした。
また、インフレ率は自身や他の当局者の想定ほどには加速しておらず、物価上昇圧力は主に関税の影響を直接受ける分野に限られていると指摘した。
デーリー氏は講演後の質疑応答で、労働市場は減速しているものの現時点で弱いわけではなく、リセッション(景気後退)のリスクもないと述べた。今回の利下げは雇用市場がこれ以上悪化しないようにするための措置でもあると説明した。
「インフレを2%の目標まで引き下げる作業を続けながら、労働市場の健全性を維持するために多少の支援を与えているようなものだ」と語った。
さらに、経済には依然として金融政策による一定の「抑制」が必要だが、以前ほど大きなものではないと付け加えた。
原題:Daly Says More Rate Cuts Likely But Fed Should Move Cautiously(抜粋)
(総裁発言を追加して更新します)
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