(ブルームバーグ):22日のドイツ株式市場で、同国の高級スポーツカーメーカー、ポルシェが上場来最大の下げに見舞われている。同社は先週末に新型電気自動車(EV)の投入延期とコストのかかる戦略の修正を発表していた。親会社であるフォルクスワーゲン(VW)の株価も押し下げられている。
ポルシェは次世代の高級EVスポーツ用多目的車(SUV)の投入計画を延期し、内燃機関車とハイブリッド車でラインアップを増強する方針を明らかにした。これに伴い、営業利益は18億ユーロ(約3100億円)押し下げられると説明した。
これにより、ポルシェとVWは通期業績見通しの下方修正も強いられた。
ポルシェの株価はフランクフルト市場で一時9.3%下落し、約3年前の上場以来、取引時間中としては最大の下げを記録。年初来の下落率は約30%に達した。VWも一時8.4%下げ、2年余りで最大の下落率。

ポルシェとVWは、ステランティスやルノーなど競合の欧州自動車メーカーと同様にEV技術に巨額の資金を投じてきたが、EV需要が予想ほど伸びず苦戦している。ポルシェは2022年に大きな注目を集めて上場を果たしたもののの、中国市場の減速や米国の関税が重しとなり、市場の期待に応えられていない。
ハンブルク近郊を拠点とする独立系の自動車アナリスト、マティアス・シュミット氏は、自動車を購入する側は「高級EVにほとんど価値を置いていない。ポルシェはこれに気づき、利益率の高い内燃機関モデルに再びかじを切った」と説明した。
原題:Porsche Slumps After EV Pullback Shows German Carmaking Missteps(抜粋)
--取材協力:Jamie Nimmo、Eric Pfanner、Monica Raymunt.
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