香港の株式市場に上場する中国のハイテク株が17日に上昇し、約4年ぶりの高値を付けた。人工知能(AI)への期待が株価を押し上げている。

ブルームバーグが集計したデータによると、ハンセンテック指数は一時3.5%上昇し、2021年11月以来の高水準となった。米中の緊張緩和やハイテク企業のAI関連投資への期待を背景に同指数は7週連続の上昇に向かっている。

サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は「中国のハイテク大手は目に見えてAIのモデルやロボタクシー、自社開発の半導体などAIへの投資と製品展開を加速させている。多くの人が予想する以上の速さでその収益化が可能だと証明している」と指摘。「米国株に比べてバリュエーションが出遅れており、投資家が再び注目し始めている」と述べている。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、ハンセンテック指数の予想株価収益率(PER)は20.5倍で、ナスダック100指数の27倍を下回っている。

ブルームバーグ・インテリジェンスのリポートによれば、アリババグループ、テンセント・ホールディングス(騰訊)、百度(バイドゥ)、JDドットコム(京東)といった中国の主要インターネット企業の設備投資額は、25年に320億ドル(約4兆7000億円)に達し、23年の130億ドルから倍以上に増加する見通し。

こうした中で株式や債券市場での資金調達が過熱している。アリババは先週、転換社債の発行で32億ドルを調達。テンセントも16日、本土以外での人民元建て債である「点心債」を発行し、90億元(約1900億円)を調達した。起債は4年ぶり。

個別銘柄では、インターネット検索大手の百度が上げをけん引。JDドットコム、美団、アリババの株価も午前の取引で大きく上昇した。

百度の株価は一時14%高となり、2年超で最大の上げを記録した。自社開発の半導体事業の成長性を理由にアナリストが評価を格上げしたことが背景にある。

また、米ゴールドマン・サックス・グループのアナリストは16日のリポートで、百度の最新AIモデル「Ernie(アーニー) X1.1」が「大幅な進歩」を示し、DeepSeek(ディープシーク)のモデルを上回ると評価している。

原題:Chinese Tech Stocks Surge to Highest Since 2021 on AI Optimism、Baidu Shares Surge as Analyst Upgrades on In-House Chip Venture(抜粋)

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