(ブルームバーグ):米フロリダ州のデサンティス知事(共和党)が全米初のワクチン接種義務廃止に動く中で、同州のラダポ公衆衛生長官は子どもの予防接種義務撤廃に伴う影響を事前に予測する必要はないと述べた。
ラダポ氏は7日、「予測する必要はない。われわれは常に感染症の流行に対処している。特別に何かを行う必要はない」とCNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で語った。同氏は児童の予防接種義務撤廃について、「自分の体に対する主権」を取り戻し、親に選択権を与えるものだと主張した。
公衆衛生政策を巡り、州ごとの分断が拡大している。カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州の民主党知事は3日、米疾病対策センター(CDC)のモナレズ所長解任を受け、「ワクチンに対する国民の信頼を高める」ことなどを目指し、公衆衛生に関する同盟を組む計画を発表した。
AP通信によると、フロリダ州の廃止措置は90日を経て適用され、州議会が対象を他の疾病に広げない限り、水痘とB型肝炎、インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌のワクチン接種義務が撤廃される。
ワクチン懐疑派として知られるケネディ米厚生長官は先週開かれた上院委員会の公聴会で、自身のワクチン政策判断について追及された。ケネディ氏は、米保健当局がワクチンの安全性について虚偽を述べていると非難した。
トランプ大統領は5日、記者団からワクチンについて問われた際、「ワクチンには効果があるものもある。有効性には議論の余地はなく、こうしたワクチンは使われるべきだ。さもなければ感染して他人を危険にさらす人が出る。議論の余地がないものは、接種すべきだ」と述べた。
医師でもある上院厚生委員長のビル・カシディ議員(共和党)は、子どものワクチン接種を廃止するフロリダ州の計画を強く非難。
「これは公衆衛生上極めて有害であり、ワクチンで防げる疾病が学校で流行し始めるだろう。疫学的データに基づいた判断ではなく、はしかにかかった子どもが学校に来て他の子どもに感染させることになる」と連邦議会で記者団に語った。
原題:Florida Official Dismisses Need to Study Vaccine Mandate (1)(抜粋)
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