世界保健機関(WHO)は、デンマークの製薬大手ノボノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」と、米イーライリリーの同薬「マンジャロ」を必須医薬品リストに追加した。これにより、世界各地で両医薬品の入手が容易になる可能性がある。

WHOによると、今回の勧告はリリーの「トルリシティ」やノボの「ビクトーザ」などのGLP-1受容体作動薬も対象となる。

WHOは、肥満だけを治療目的にGLP-1薬を必須としたのではなく、糖尿病と共に心疾患、腎疾患、肥満を抱える患者への使用を対象とした。複数の心代謝疾患を持つ患者への有効性が最も強く裏付けられていることが理由だと、WHO必須医薬品モデルリスト事務局の科学者ロレンツォ・モジャ氏は説明した。

モジャ氏はメールで「体制が許す国は、利用拡大のためのプログラムを検討すべきだ」と指摘。また、価格を引き下げ日常の医療でより利用しやすくするために、ジェネリック(後発医薬品)の競争を促す必要があるとした。

WHOは2年ごとに必須医薬品リストを更新している。WHOによれば、世界で糖尿病患者は8億人強に上り、肥満の人は10億人を超えている。

原題:WHO Adds Ozempic and Mounjaro to Its List of Essential Medicines(抜粋)

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