2日の取引で、金が過去最高値を更新した。米国の利下げ見通しや、連邦準備制度の将来を巡る懸念の高まりが、複数年にわたる金相場の上昇に新たな勢いを与えている。

金のスポット価格は0.9%高の1オンス=3508ドル超と、4月に付けたこれまでの高値を更新。ただ、その後はドルが上昇する中で上げを縮小した。金の年初来上昇率は32%余りに達し、主要コモディティーの中でも有数となっている。

直近の相場上昇をけん引しているのは、今月の米利下げへの期待感だ。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は8月22日、カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)での講演で、慎重ながらも9月の利下げに道を開いた。

5日に発表される8月の米雇用統計は低調な内容となる可能性が高く、そうなれば利下げの論拠を強める。それが利息を生まない貴金属に対する魅力を高めている。

UBSグループのストラテジスト、ジョニ・テベス氏は「米国の利下げが近づいていることもあり、投資家は金への資産配分を増やしている。それが相場を押し上げている」と指摘。

「当社の基本シナリオは、今後数四半期にわたって金が高値更新を続けるというものだ。金利低下と経済データの軟化、高止まりするマクロ経済の不確実性、地政学リスクが、ポートフォリオ分散で金の役割を高めるだろう」と述べた。

 

原題:Gold Touches New Record High Above $3,500 on US Rate-Cut Bets(抜粋)

--取材協力:Yvonne Yue Li、Mark Burton.

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