北朝鮮が昨年、2016年以降で最も高い経済成長率を記録したことが韓国銀行(中央銀行)の推計で分かった。最高指導者の金正恩氏はロシアとの関係を深めており、中国との貿易も拡大し続けている。

同中銀の29日の発表によると、北朝鮮の2024年の国内総生産(GDP)は推計で前年比3.7%増加した。重工業や建設分野での成長が背景にあり、3年連続のマイナス成長からプラスに転じた23年以降、回復基調が続いている。実質GDPは約37兆韓国ウォン(約3兆9100億円)と推定された。

韓国銀によると、23年に続き経済成長をけん引した重化学工業は前年比10.7%の伸び。兵器製造への関与の有無には言及していない。鉄鋼や銅、ニッケル、アルミニウムなどを含む一次金属の生産も増加したという。

金正恩朝鮮労働党総書記は6年ぶりに訪中し9月3日に行われる軍事パレードに出席予定。第二次世界大戦終結80年を記念する式典には、習近平国家主席の招請でロシアのプーチン大統領らも参加する。トランプ米大統領が金総書記との会談に関心を示す中、金氏は中国およびロシアとの関係を深化させている。

北朝鮮経済が制裁で苦しむ中、中国は主要物資の供給を続け北朝鮮製品や資源の輸出先にもなってきた。中国税関の月次データによると、北朝鮮からの輸入額(24年)は前年比で2桁台の伸びを記録している。北朝鮮はさらに、ロシアに砲弾やミサイルを供給し兵士も派遣するなど、ウクライナとの戦争を続けるプーチン政権を支援している。

経済が上向いているとはいえ、北朝鮮は依然として貧しい。韓国銀の推計値によると、24年の名目国民総所得(GNI)は44兆4000億ウォンで、韓国経済の約1.7%にとどまる。1人当たりGNIは172万ウォンと、韓国の3.4%にすぎない。

原題:North Korea’s Economy Expands as Kim Deepens Ties With Putin, Xi(抜粋)

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