(ブルームバーグ):トランプ米大統領のメディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)と暗号資産(仮想通貨)交換業者クリプト・ドット・コムは、暗号資産クロノス(CRO)の購入および保有に特化した会社の新設に向け、特別買収目的会社(SPAC)ヨークビル・アクイジションと合意した。
米証券取引委員会(SEC)に26日提出された文書によると、新設されるデジタル資産トレジャリー(DAT)企業は、資金を調達して暗号資産を購入・保有する戦略を採用する見込みで、マイケル・セイラー氏がストラテジー(旧マイクロストラテジー)で示した手法を踏襲する形となる。
ただ、ビットコインを購入・保有するストラテジーと異なり、新会社は比較的知名度の低いクロノスに特化する。クロノスはクリプト・ドット・コムが支援する暗号資産で、その時価総額は65億ドル(約9600億円)。暗号資産全体で23番目の規模となっている。
TMTG株は26日に一時10.2%上昇。一方、ヨークビル株は一時3.4%下落した。コインマーケットキャップによると、クロノスは32.3%上昇した。
提出書類によれば、TMTGはクリプト・ドット・コムと相互協力に関する契約を結び、トランプ氏のSNS「トゥルース・ソーシャル」やニュース動画配信サービス「トゥルース・プラス」などに報酬システムを導入する。クリプト・ドット・コムは約1億500万ドル相当のクロノスをTMTGに移転させる一方、TMTG株280万株と現金5000万ドルを受け取るという。
クリプト・ドット・コムの最高経営責任者(CEO)、クリス・マルスツァレク氏はトランプ氏との関係を強化しており、昨年の大統領選挙後にトランプ氏の私邸「マールアラーゴ」で同氏といち早く会談した暗号資産業界の幹部の1人。
原題:Trump Media Partners With Crypto.com on Crypto Treasury (1)(抜粋)
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