米ダラス連銀のローガン総裁は、来月の四半期末にかけて短期金融市場に一時的な圧力が生じる可能性があると指摘した。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)がバランスシート縮小を続ける余地はなおあるとの見方を示した。

ローガン氏は25日、メキシコの中央銀行が主催した会議のパネルで「9月の納税期日や四半期末にかけて一時的な圧力が見られる可能性がある」と発言。

その場合、投資家は6月と同様にFRBの翌日物流動性ファシリティーを利用する可能性が高いとし、こうしたセーフティーネットを整備しておくことで「われわれは準備預金をより効率的な水準へと徐々に誘導し続けることができる」と話した。発言は講演原稿に基づく。

FRB当局者は2022年以降、バランスシート縮小を進めている。市場の混乱を回避できる「必要十分な」水準まで準備預金を引き下げることが目標で、新型コロナ危機後に景気刺激として実施した数兆ドル規模の資産購入を巻き戻す取り組みでもある。

FRBは今年、バランスシート縮小のペースを緩めたものの、終了点がどれほど近いのかについても議論している。FRBの最新データによれば、銀行の準備預金残高は現在およそ3兆3000億ドル(約486兆円)。ウォラーFRB理事は最近、「必要十分な」水準を約2兆7000億ドルと推計した。

ローガン氏はレポ取引における市場金利に言及し、過去数カ月はFRBが銀行準備預金に支払う金利を平均で約8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回っていると指摘。

「これは準備預金をさらに減らす余地があることを示している」とし、「準備預金を徐々に減らしつつ、上限ツールを利用可能にし、経済的に有利な局面での活用を市場参加者に促すことが、効果的な戦略になると考えている」と語った。

ローガン総裁は講演原稿では金融政策や景気の見通しについてはコメントしていない。トランプ政権はローガン氏をパウエルFRB議長の後任候補の1人として検討しているとされる。

原題:Fed’s Logan Says Money Markets Could See Pressure at Quarter-End(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します)

--取材協力:Alex Harris.

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