フランスの富豪一族ピノー家が、スポーツブランドのプーマの持ち分売却を視野に潜在的な買い手に接触した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。プーマの時価総額は過去1年間でほぼ半減している。

ピノー家は投資会社アルテミスを通じてプーマ株29%を保有しており、持ち分売却の可能性も含めアドバイザーと協議を進めているという。非公開情報であることを理由に関係者は匿名を条件に語った。

関係者によれば、プーマ買収への関心を探るため、ピノー家は中国の安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)や李寧に接触。また米国のスポーツ用品メーカーや中東の政府系ファンドにも打診しているという。

この報道を受け、25日のドイツ株式市場でプーマ株は一時20%高と急伸。日中ベースでは2001年10月以来の大幅高となった。時価総額は約32億ユーロ(約5500億円)となっている。

ピノー家は売却交渉において相応のプレミアムを求める可能性が高いという。アルテミスは仏高級品メーカー大手ケリングの筆頭株主でもある。

 

プーマ株は過去12カ月で約50%下落。スポーツ用品やトレーニング用品の需要低迷に加え、米関税の影響への懸念が重しとなっていた。

関係者によれば協議は進行中であり、取引が実現する保証はないという。プーマの広報担当者はコメントを差し控え、アルテミス、アンタ、李寧の各担当者もコメント要請に応じていない。

原題:Pinault Family Is Said to Mull Options for Puma Sports Brand (2)(抜粋)

--取材協力:Tara Patel、Daniela Wei、Tim Loh.

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