米オープンAIは将来的に、企業によるデータセンターや物理的インフラの人工知能(AI)向け利用を支援するサービス提供を検討している。実現すれば、膨大なコストの一部を相殺し得る新たな収益源になる見込み。

オープンAIのサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)

オープンAIのサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)は20日のインタビューで、この案はアマゾン・ドット・コムが自社の余剰クラウド容量を貸し出して成功した事例から着想を得たと説明。現在は自社に必要な計算資源の確保に集中しているため積極的には検討していないが、「将来的にビジネスになると考えている」と述べた。

近年オープンAIは、AI処理に最適化したデータセンターの設計や構築に関するノウハウを蓄積してきた。同社は今がこの知見を収益化する好機とみている。また、外部の業者に全面的に依存するのではなく、設計・構築プロセスへの直接関与を強めたい考えだ。

オープンAIはこれまで、高性能半導体の購入やデータセンターの建設向けに数百億ドルを調達。現在はソフトバンクグループやオラクルと共にAIインフラ事業「スターゲート」を進めており、米国や海外で巨大データセンターを建設する計画だ。

それでも資金は十分ではない可能性がある。サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は今月、記者団に対し「近い将来、オープンAIがデータセンター建設に数兆ドルを投じることになると想定すべきだ」と発言。また、その資金調達を支える「非常に興味深い新しい金融手段の設計」に取り組んでいるとしたが、詳細は明らかにしなかった。

従来、オープンAIはマイクロソフトやオラクルを含むパートナーに依存してデータセンター整備資金を賄ってきた。しかしフライヤー氏によれば、現在は銀行やプライベートエクイティー(PE)ファンドからデットファイナンス(債務による資金調達)の打診を受けているという。フライヤー氏は「それが次の道だ」としつつ、債務以外に新たな手法があるかどうかも慎重に検討していると語った。

原題:OpenAI CFO Sees Firm Selling AI Infrastructure Service in Future(抜粋)

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