SNSなどで拡散したうわさで、日本で巨大地震が起こるとされた7月の香港からの訪日外客数が前月を上回る大幅な減少となった。

日本政府観光局(JNTO)の20日の発表によると、7月の訪日外客数は前年同月比37%減の17万6000人だった。JNTOによると、香港では日本での地震発生に関するうわさが拡散されていたほか、香港に接近した台風の影響もあった。風水が盛んな香港はこのうわさの影響を大きく受けている地域とされ、前月も33%の大幅減だった。

同月はアジアではフィリピン、シンガポール、韓国、タイ、マレーシアも前年同月比でマイナスとなった。そのうち、JNTOは10%減の韓国に関しても地震に関するうわさが拡散していた、と説明している。

インバウンド(訪日観光客)ブームは長期にわたって続いており、7月の訪日外客数全体は同4.4%増の343万7000人と同月としては過去最高を更新した。だが、伸び率は鈍化しており、今年に入って最低となった。

日本の漫画家、たつき諒氏の著書「私が見た未来 完全版」に出てくる7月に日本で大災害が起こる予言はSNSなどで拡散したことで旅行需要が減少し、日本と香港を結ぶ一部の路線では減便や欠航も発生した。うわさの影響でインバウンド需要が約5600億円減少する可能性があるとするとの試算もあり、実際には大きな災害はなかったものの、日本経済に打撃となる懸念も出ていた。

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