トランプ米政権は中国から輸入される鉄鋼や銅、リチウムなどへの監視を強化すると発表した。新疆ウイグル自治区での強制労働により生産されたとされる製品の輸入禁止措置を徹底する。

2021年成立の「ウイグル強制労働防止法(UFLPA)」は、新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止している。米政府は、部材を含め同自治区で製造された製品は強制労働によるものとみなしている。ただし、企業が強制労働で製造されていないことを「明確かつ説得力のある証拠」で示せば例外が認められる。

同法は全ての製品を対象としているが、当初は衣料品や綿製品、トマト、ポリシリコンを含むシリカ系製品が優先的な監視対象だった。バイデン前政権下では、アルミニウム、ポリ塩化ビニール(PVC)、水産物に優先監視対象が拡大された。

19日の発表では、優先監視対象として新たに鉄鋼や銅、リチウム、苛性ソーダ、ナツメが追加された。

新たな優先監視対象の発表は同法に基づく米政府の取り組みに関する年次のファクトシートに盛り込まれたもので、対中貿易赤字の削減を目指すトランプ氏の通商目標に沿った措置となっている。

ノーム米国土安全保障長官は声明で、「米国には国民に不利益をもたらし経済成長を阻害する不公正な貿易慣行を含め、国家の繁栄を危険にさらす脅威を取り除く道義的、経済的、そして安全保障上の責任がある」と述べている。

中国政府は繰り返し、強制労働を否定している。

米商務省によると、24年に中国から輸入した鉄鋼は約47万トンで、国内消費量の0.5%に相当する。

原題:US Targets Chinese Steel And Lithium for Forced-Labor Scrutiny(抜粋)

--取材協力:Joe Deaux.

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