(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は今月、米政策金利はモデルが示す水準よりも1ポイント超高いとの見方を示し、市場の注目を集めた。ドイツ銀行の金利ストラテジストらは19日、この見解について誤りだとの分析を示した。
ベッセント氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「どのモデルで見ても」米政策金利は「おそらく150、175ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い水準にあるべきだろう」と発言。それ以来、該当するモデルを探す動きが広がっている
ドイツ銀行のマシュー・ラスキン氏らストラテジストはリポートで、米連邦準備制度の半期ごとの金融政策報告書におけるルールによれば、依然として「利下げが明らかに求められているわけではない。150-175bpの利下げは言うまでもない」と指摘した。ラスキン氏は元連邦準備制度エコノミストだ。
リポートでは「注目すべき主要な点は、現行のフェデラルファンド(FF)金利が、ルールに基づく比較的狭いレンジに収まっていることだ」と指摘。具体的には4-4.65%程度の数字を挙げ、0.25ポイントの利下げについては「正当化される可能性がある」とコメントした。

FF金利の誘導目標は今年に入り4.25-4.5%に据え置かれている。歴史的に見て労働市場に下振れリスクがある場合には米金融当局はルールが示唆するよりも早く利下げに動く傾向があるが、足元ではトランプ政権からの強い利下げ要求の圧力に耐えている。
ベッセント氏の顧問を務めるジョゼフ・ラボーニャ氏は、ブルームバーグ・ニュースに対し、ベッセント氏がモデルという言葉を使用したことについて、連邦準備制度による「長期的に」中立的な政策金利の予想レンジにおける中心的傾向を指していると説明した。金融当局が6月に発表した四半期経済予測では2.6-3.6%とされていた。
ドイツ銀行のストラテジストらは、個人消費支出(PCE)価格指数で測定されるコアインフレ率や失業率などを入力する一連のルールに基づき、FF金利の目標を評価した。
原題:Bessent’s Rate View Defies Fed Models, Deutsche Bank Says (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.