中国のスタートアップ、杭州宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)の製品が北京で週末にかけて開かれたロボット競技大会で注目を集めた。人工知能(AI)やヒト型ロボットの開発を進める中国の国家的野心を象徴する企業として、存在感を一段と高めた。

同社の「H1」は15日、1500メートル走で金メダルを獲得。記録は6分35秒で、運動記録アプリ「ストラバ」の利用者が1マイル(約1600メートル)を走る平均時間より4分近く速かった。

別のユニツリー製ロボットも入賞し、「ワールド・ヒューマノイド・ロボット・ゲームズ」競技初日のハイライトとなった。

中国政府は今年、民間ハイテク企業支援をアピールするイベントを開催。ここでユニツリーの王興興CEO(最高経営責任者)は、習近平国家主席がアリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏らと面会する会合に参加している。

3日間の競技大会は、高度なロボティクス分野で製品開発を進めるテスラなど米企業に対抗する中国側の最新技術を披露する場。電気自動車(EV)メーカーであるテスラのヒト型ロボット「オプティマス」がまだ開発段階にある一方で、ユニツリーのロボットはさまざまな運動能力を実際に示し、今年4月に開催されたハーフマラソン大会での活躍に続き、中国の技術進化を印象付けた。

ただ、依然として課題も多く、競技中に転倒するロボットも相次ぎ、中には腕が取れてしまうケースも見られた。サッカーの試合では、パスやタックルの技術は見られず、むしろラグビーのように1台のロボットがボールを強引に押し込もうとする展開となった。

登場した多くのロボットは、今もジョイスティックを使った人間の操作を必要としている。

会場となった国家スピードスケート館の中央にはボクシングリングが設置され、国内の大学チームがユニツリーの「G1」モデル同士を対戦させた。ヘッドバンドとグローブで色分けされたロボットは、キックとパンチで観客を沸かせた。

数百体のロボットが集結した大会では、2足歩行のヒト型ロボットが陸上競技やサッカー、ボクシングなど26種目で金メダルを争った。メインステージ以外でも、卓球をするロボットアームや、バスケットボールのシュートを披露する車輪型ロボットなどの実演が行われた。

原題:China’s Top Tesla Optimus Rival Headlines Robot Games in Beijing(抜粋)

--取材協力:Zheping Huang.

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