米アトランタ連銀のボスティック総裁は7日、年内に1回の利下げが実施される可能性が高いとの見通しは変わらないと指摘。関税によるインフレへの影響が一時的なものにとどまるとの見方には、懐疑的になる理由があると改めて表明した。

アトランタ連銀のボスティック総裁

ボスティック氏はバーチャル形式で開かれた討論会で、「関税の影響が一時的なものなのか、あるいはもっと持続的なものになり、構造的な変化すら引き起こしかねないのかという点が、現時点では恐らく最も重要な問題だ」と述べた。

この日発動された関税の影響が、一時的な価格上昇にとどまるという教科書的な関税の例に当てはまるとみるには「いくらか懐疑的」になる理由があると、同氏は説明した。

ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事は、関税によるインフレへの影響は一過性のものとして「見過ごす」ことが可能だとの見解をこれまでに示している。ウォラー氏は先週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、他の当局者が金利据え置きを決めた際、0.25ポイントの利下げを支持した。

ボスティック氏は「これは一度きりで、ある朝目覚めたらすべての関税が明らかになっているというような話ではない」と指摘。むしろ、関税が頻繁に変化することで、消費者の意識の中に関税や物価上昇見通しが浮かぶ期間が長くなり、インフレ期待が高まるリスクがあると、同氏は続けた。

先週発表された7月の米雇用統計については、意外な結果だったとし、統計の修正は経済の混乱を反映しているとの見解を示した。その上で、経済のファンダメンタルズは堅調だと考える理由はあると、付け加えた。

原題:Fed’s Bostic Sees One Cut in 2025 as Tariff Effects May Persist(抜粋)

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