(ブルームバーグ):オルタナティブ投資大手の米アポロ・グローバル・マネジメントは、ソフトバンクグループへの時価純資産(NAV)融資額を54億ドル(約8000億円)に引き上げた。NAVファイナンスはプライベートファンドやその支援企業の間で急速に普及しており、アポロのソフトバンクグループ融資はこれまでで最大規模となる。
複数の関係者によると、ソフトバンクグループのビジョン・ファンド(SVF)2に対するアポロのNAV融資は、9億ドル増額された。SVF2のポートフォリオ価値に対する融資額の比率は10%台前半だと、関係者の1人が述べた。
この融資は当初、2021年12月に実行された後、今年リファイナンス(借り換え)が行われた。関係者らは非公開情報であることを理由に匿名で話した。アポロとソフトバンクグループの広報担当者はいずれも、この件についてのコメントを控えた。
アポロがNAVファイナンスにおける存在感をますます強めていることを、この融資は浮き彫りにしている。NAVファイナンスは特定の事業体ではなく、複数企業に対する投資資産を担保とする。
プライベートキャピタル企業の間では低コストで資金を調達できる手段として、NAVファイナンスが人気を集めている。企業合併・買収(M&A)の停滞が長期化し資金回収が難航する中で、一部のバイアウトファンドは出資者への資金還元のためにこの手法を利用している。
SVF2の取引に詳しい関係者によると、今回の資金もその出資者に配分される予定であり、この場合は、ソフトバンクの創業者である資産家の孫正義氏およびソフトバンクグループが該当する。
SVF2はハイテクスタートアップ(新興企業)数十社に出資するベンチャーキャピタルファンドであり、4月の発表によれば、人工知能(AI)開発のオープンAIに少なくとも22億ドルを出資している。
原題:Apollo Boosts SoftBank Loan to a Record-Breaking $5.4 Billion(抜粋)
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