7日の欧州債券市場は、英国債が短期ゾーンを中心に下落した。同日のイングランド銀行(英中央銀行)の利下げが、市場が予想していた以上に僅差での決定だったことから、今後の利下げ観測が後退した。

英2年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.88%、10年債利回りは2bp上昇し4.55%となった。

イングランド銀行では、金融政策委員会(MPC)メンバー9人のうち、エコノミストの予想を上回る4人が金利の据え置きを支持した。過去28年の歴史の中で、2回の投票が必要だったのは今回が初めてだ。

短期金融市場では、今年の残りの利下げ幅は17bpと見積もられており、6日時点の23bpから縮小した。

ドイツ債のイールドカーブは、長期債が買われフラット化した。30年債利回りは4bp低下して3.14%、2年債利回りは横ばいの1.92%だった。

欧州株は、決算シーズン終盤の取引が活発なロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領が数日以内に会談するとの報道を受け、ウクライナの停戦への期待が高まったことから上昇した。

ストックス欧州600指数は、0.9%上昇し取引を終えた。自動車、旅行、テクノロジー関連株が上昇を主導し、通信株とエネルギー株は下落した。

UBSのウクライナ復興関連バスケットは3.4%上昇し、中でもライファイゼン・バンク・インターナショナルが14%高と目立った。一方、ゴールドマン・サックスの欧州防衛関連株バスケットは5.1%下落した。イタリアの防衛システム大手レオナルドが6.1%安、ドイツの機械メーカーのレンク・グループが7%安、センサーメーカーのヘンゾルトが4%安となった。ドイツの防衛企業ラインメタルは決算が予想を下回り、8%下落した。

このほか、ノボノルディスクが6.7%上昇し、前日までの急落から反発した。競合のイーライリリーが発表した経口肥満症治療薬の治験結果が市場の期待を下回ったことが、ノボには追い風となった。

8月7日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:Gilts Drop After BOE Delivers Hawkish Cut: End-of-Day Curves、Europe Stocks Rally on Hopes of Russia-Ukraine Truce; Novo Jumps(抜粋)

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