韓国軍は、北朝鮮向けの宣伝放送を行うため軍事境界線近くに設置していた拡声器について、撤去を始めたと明らかにしました。「南北間の緊張緩和のための措置」だと説明しています。

韓国軍によりますと、拡声器の撤去は4日午前から始まりました。

数日以内に完了する見通しだということです。韓国メディアなどによりますと、拡声器は1963年に当時の朴正煕大統領時代に設置され、北朝鮮に向けた宣伝放送用として中断と再開を繰り返しながら使われていました。李在明大統領が6月に就任して以降、南北関係の改善に意欲を示し宣伝放送を取りやめていました。

一方、北朝鮮は先月、金正恩総書記の妹・与正氏が談話を発表し、韓国の宣伝放送取りやめについて、「やってはならないことを元に戻したにすぎず、評価に値しない」と指摘。「どのような政策にも興味がない。韓国が敵だという認識に変化はない」などと対話を拒否する姿勢を示しています。