楽天証券の楠雄治社長は1日の決算説明会で、インターネット経由で証券口座が乗っ取られる不正取引問題について、「顧客への周知が行き届いていなかったなど至らぬ点もあった」との認識を示した。

楽天証券は被害に遭った顧客に対し被害の半額を補償する対応方針を公表している。7月29日に発表した2025年1-6月期決算で、補償の費用として10億5800万円の特別損失を計上した。楠氏は「事態はかなり沈静化している」とも語った。

ネット証券ではSBI証券も原則として顧客に半額を補償する対応をとる。野村ホールディングスをはじめ対面の大手証券5社は全額補償を基本的な対応としており差がある。口座数が多いネット証券が丁寧な対応を怠れば、業界としての信頼を失いかねない。

日本証券業協会は7月中旬にネット取引のガイドライン改正案を公表し、ログイン時にIDやパスワードに加えて生体認証など別の要素を組み合わせて本人確認する「多要素認証」の設定必須化を明記した。楠氏は「二要素認証の必須化を早期に決めればよかった。利便性とのバランスで踏み切れなかった」と業界全体としての反省点を挙げた。

楽天証券は再発防止に向け、今秋をめどに顔認証や指紋認証などの「パスキー認証」を導入しセキュリティー対策を追加する。対策費は「それほどの大きなコスト負担ではない」と話した。

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