(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、政府管理下にある住宅金融大手フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)とファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)の株式公開の可能性などを巡り、米大手銀行の経営トップと個別に面談している。
事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、トランプ氏は各最高経営責任者(CEO)に対し、株式公開などに関して意見を求めているという。実現すれば、公開を手掛ける各行は多額の手数料収入を得る可能性がある。
トランプ氏は先週、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOをホワイトハウスに招いた。7月31日午後にはゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモンCEOと面談する予定。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハンCEOとも近く会う計画で、他の銀行幹部との協議も予定されていると関係者は語った。
ブルームバーグがトランプ氏と大手銀行トップとの面談を報じると、ファニーメイとフレディマックの株価は通常取引終了後の時間外取引で大幅上昇。ニューヨーク時間午後4時半(日本時間8月1日午前5時半)時点で、薄商いの中をそれぞれ14%高、5.7%高となった。
フレディマックとファニーメイは米住宅金融システムの中核を担っており、2008年の金融危機時に連邦政府に救済されて以降、政府の管理下に置かれている。
トランプ氏は5月、ファニーメイとフレディマックの株式公開を「真剣に検討している」と述べていた。
ヘッジファンドなど一部投資家は、政府に対し両社を管理下から外すよう求めてきた。実現すれば政府を含む株主に多額の利益をもたらす可能性がある。アナリストは、過去最大級の上場になる可能性があると指摘している。
ただ、こうした計画を実行する上で、当初の株式公開規模や、既存株主の扱いなどさまざまな複雑な問題がある。
関係者によると、トランプ氏はCEOらに対し、上場に向けた戦略や、各行がどのような形で関与できるかについて提案を求めているという。
ホワイトハウスの報道官にコメントを求めたが、これまでに返答はない。ホワイトハウスのレビット大統領報道官は31日、トランプ氏とソロモン氏との面談に関する質問に対し、「大統領の非公開会談についてはこの場での発言を控える」と答えた。
各行の広報担当者もコメントを控えるか、コメント要請のメッセージにこれまでのところ返答していない。
原題:Trump Asks Bank CEOs to Pitch on Fannie, Freddie Stock Offerings(抜粋)
--取材協力:Patrick Clark、Katy O'Donnell.
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